Photo,Text/Kikuo Onada
やさしい漁師が猫に魚を与える
離島の基幹産業といえば、やはり漁業。
漁師のなかには、売りものにならない魚を猫に与える人もいる。
早朝、港に猫が集まり、じっと漁師の帰りを待つーー
そんな光景が見られる離島も多い。
離島では交通事故が極めて少ない
離島は車が通れないほど、狭く、勾配のきつい道が多い。
ゆえに都会でありがちな猫の交通事故が起きにくい。
島の道の真ん中で堂々と昼寝している猫の姿が、その安全性を物語っている。
のほほんとしているように見えて…
かといって、離島の猫たちは牧歌的な暮らしを送っているわけではない。
日がな一日寝ているが、それは力を温存するため。
狩りや食べものをもらえるチャンスの時、猫たちは対象に全神経を集中させ、
いつでも対象に飛びかかれるよう構えている。
昨今、飼い猫の平均寿命は右肩上がりが続き、
ペットフード協会の平成26年度調査では14.82歳と推定されている。
一方、離島の猫は5年も生きれば、長生きの部類に入る。
「たったの5年?」
そう思う人もいるかもしれないが、寿命が短いからこそ、
島の猫の数は一定数に保たれる。
ほとんどの島では、猫の去勢・不妊手術を行っていない。
そうした猫たちが10年、15年生きていたら、島はあっという間に猫だらけになってしまう。
しかし、近年は猫島が観光地化し、観光客の餌やりにより、
猫の数が増加している島もある。
島を訪れる際は、安易な餌やりをしないよう努めたい。