キャットフードの「目安の給与量」を信用してはいけない!

猫の飼い主さんに、ぜひ知っておいていただきたいことがあります。

キャットフードのパッケージには、体重ごとの目安の給与量が記載されていますが、これを鵜呑みにしてはなりません。なぜなら、ペットフードメーカーによって目安の給与量はかなり差があるからです。

実例をご紹介しましょう。

「メディファス 1歳からチキン味」
カロリー:100g/380kcal
4kgの猫の目安の給与量:75g(1日)

「ナチュラルバランス ホールボディヘルス」
カロリー:100g/365kcal
4kgの猫の目安の給与量:49g(1日)

メディファス 1歳からチキン味

 

 

 

 

 

 

 

 

ナチュラルバランス ホールボディヘルス チキンミール&サーモンミール フォーミュラ

 

 

 

 

 

 

 

 

「え?」と思いませんか?
メディファスの方がカロリーが高いのに、目安の給与量がナチュラルバランスより1.5倍も高いのです。
ちなみに、どちらも健康な成猫用のキャットフードです。

犬猫の栄養学に関する学術論文を多数発表していて業界では有名な先生も、とあるペット栄養学の講義でこう仰っていました。
「ペットフードのパッケージに書かれている目安の給与量って、かなりいい加減です」

そもそも猫は同じ体重でも、年代や活動量によって1日に必要なエネルギー量が異なります。

肥満や栄養不足を防ぐには、愛猫のDER(1日当たりエネルギー量)を求め、それをフードの代謝エネルギー(カロリー)で割って求めるのが正解です。

ただ、この計算は少し面倒です。
獣医師広報板の「猫のカロリー計算Ver3.0」は、より正確なフード量の目安を自動計算してくれるので利用してみましょう。
ただし、これもあくまで目安です。

フード量を計算したら、定期的に猫の体重をチェック。そして一定体重をキープできているようなら、適正な量を与えていることになります。

大切な愛猫にできるだけ健康でいてもらうには、食事管理がとても重要です。愛猫に適したフード量を見極めてくださいね。

2019年6月30日(日)13時~15時、池袋にて「猫の栄養学やキャットフードの選び方&与え方」をテーマにしたセミナーを開催いたします。
獣医師でペット栄養管理士や調理師免許も持つ梅原孝三先生が愛猫の“健康長生き”を実現するためにとくに重要なことを凝縮してお伝えしますので、ぜひご参加ください。

文/奥田直樹(ペットフード販売士、愛玩動物飼養管理士)